※あんまりゲーム関係ないかも
「さて、遂にこのクエストが解禁されましたね」
「このクエストの三日目でびんちょうが『生きてるって感じ~!』って言ったのが、すべての始まりだったな」
「何それ」
「狂人に人生賭けることにしたってこと」
「きょ、狂人!?あたし!?」
「自覚無いんだ」
「はまち」
「ごめんなさい」
「……泉の中のエンカウントしないエリアは使って良いの?」
「レンとツスクルからは『わかってるよな?』との連絡を受け取っている」
「Oh……レベルも足りないし、マジで行くの?」
「あたしは行きたいな~。前と同じメンバーだし難易度上げた方が盛り上がるというか」
「……まあ、びんちょうが言うなら従うか」
「そうだな」
「そうねぇ~」
「ハマ~」
「わざわざ危ない手段取るの……?」
「そりゃねぇ。同じことしてもつまんないしさ」
「私も冒険者だから気持ちはわからなくもないけど、怪我とか気を付けてね。お姉ちゃんだってこれから素敵な人が現れないとも限らないんだから」
「ブフォwwwwwwwww」
「びんちょうにwwwwwwww」
「彼氏wwwwwwww」
「ハマwwwwwwwwww」
「み、みんな失礼だなあ!!素敵な人がいるなら全然結婚するつもりですっっっっ!!!!」
「!?」
「ちなみに結婚の条件は」
「第一に冒険者」
「だろうな」
「……」
(……はまち?)
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「と、言う訳で張り切っていくぞー!!」
「えんがわ、中断セーブの方は」
「一定の条件下(電車内でやっているので、乗り換えや最寄り到着のタイミング)で中間セーブは良しとするという条件を取り付けてきた」
「じゃあ全滅したとしても、最初からやり直すわけじゃないんだね」
「それはちょっと救いだわ」
「とりあえずまずは水源にね」
「暫くここが宿になるからねー。みんなもちゃんと水分補給するのよー」
「ほーい」
「じゃあ出るとするか、扉の外に……」
「「まあ、いますよね」」
「そして僕以外寝るっていう。ウ、ウーズ一体なら……」
「びんちょう、はまち、えんがわの三人は危険な花びらより先に動くことが出来るから、三人で集中砲火。ただ誰かが外すと睡眠を食らうので、しめさばも氷の術式を危険な花びらに打つ、と」
「私の行動順序がマチマチなのが申し訳ないね」
「問題はこっちかぁ」
「に、二体……」
「こっちは睡眠食らうことを前提に動かないとな。誰かが殴って起こされたら、他の補助に入らずに敵を倒すことだけを考える」
「今のところ私が役に立ってないの申し訳ないな。キャンプ処置が無ければ人権を喪っているところだった」
「いてくれて助かってるよ!」
「びんちょうったら♥」
「ハマアアアアア!!!」
「まいわしを威嚇すんな」
「ちなみにこちらが別の要注意モンスターズで危険な花びらとベノムスパイダー二匹のトリオですね!!画像を見ていただければわかる通り、ベノムスパイダーも攻撃力がとてもあり、眠っている隙にぼっこぼこにされます!先手を打たれた日にはもうッネ!!!」
「「人生~~~」」
「レベルも上がってきているけどね」
「スキルも習得してきて、日が経つにつれ楽にはなっているね」
「8階の推奨レベルってどのくらいだっけ?」
「3×8で24だな♪」
「だとしても足りないよぉ……」
「そんなこんなで、何回か死(全滅)につつここまで来たぞ」
「危うげなところもあるけど、段々倒し方がわかってきた……かな?」
「ウーズと危険な花びらの時は問題ない、危険な花びら二体の時は睡眠を食らうことを前提にダメージを与えて、何とか前衛が起きて殴る、と」
「レベリングもできてきたし、段々ルーティンになってきたわね」
「油断は禁物だけどね!!……ちょっと雑談でもします?」
「珍しいな、びんちょうから雑談をしようなんて切り出すのは」
「気にしているので。みんながクエスト受ける前にあたしに彼氏できるか云々でめっちゃ笑ってたこと」
「「ごめんなさい」」
「……」チラッ
「……ごめんってば」
「だとしてもさあ……。びんちょうは好きな人とかいるの……?」
「いたよ」
「ハマッ!!???」
「過去形……ちなみにどんな人?」
「あたしに冒険者のことを教えてくれたおじいさん!!」
「……それ、恋愛感情?」
「さあねぇ。子供の頃だったし違うかも。でもおじいさんは凄く格好良かったんだ~。……あの人と何処までも冒険行けたらってね」
「びんちょうにとって『愛を育む=冒険』なんだ」
「でも、今は寿司連盟みんなでずっと冒険を続けたいから、寿司連盟がある意味恋人かも!!」
「「よせやい」」//////
「……」
「はまち、どうかしたの?」
「ハママ(否定の意)」
「……」
「……」
「……」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「……はぁ」
「随分疲れてるみたいね」
「ね、姉さん!?べ、別に僕は……」
「本当に~~~??」
「ハマァァァァァァァ」
「……びんちょうとはまちって二人でエトリアに来たんでしょ?」
「……?そうだけど」
「二人はどうやって知り合ったの?」
「僕って巣鴨様に仕えてたでしょ?」
「そうねぇ」
「びんちょうがいきなり殴りこんできて『エトリアでは三色ガードが必要な気がするから、パラディン一人ください!!』って」
「めっちゃ想像できるわ」
「……で、はまちはその誘いに乗ったんだ」
「巣鴨様が広い世界を見ておいでって言ったのもあるけど、乗ったよ」
「それは何で?」
「……多分さ、貴族でも平民でも無い『何か』になりたかったんじゃないかな。貴族からは『拾われた平民』って言われるし、一般市民からは『貴族様』って言われるし……」
「……」
「今の僕は平民でも貴族でもないよ。ただの『冒険者』という存在だよ。……だから、僕を『冒険者』にしてくれたびんちょうには凄く感謝してるんだ」
「……そっか」
「それに、こうして姉さんとも再会できたしね」
「そうねぇ。世界に一人だけの私の弟……生きててくれて、本当に良かった」
(ええ話や);;;;;;
(泣けるねぇ);;;;;;
「みんなー!!危険な花びらのスープ食べるーー!!??」
「今行くよ~」
「ウーズとベノムスパイダーは毒だし、火喰い鳥は火通らないしねぇ……危険な花びらが一番マシな食材よ。とほほ」
「……はまちは大丈夫そうか?」
「……まいわし、アレはもしかしてコレで良いのかしら?」
「そうなんじゃない?青春だね~」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「残念ながらあともう一日です!!」
「嬉しいことにあともう一日だろ」
「……前から聞きたかったんだけど、びんちょうってどうして冒険を続けてるの?」
「そこに『世界樹の迷宮』があるからでしょ」
「強すぎる」
「えー、そう??じゃあみんなのモチベーションは何なの?」
「そう言われると……」
「そこに『世界樹の迷宮』があるからとしか……」
「私はしめさばに冒険者になろうと誘われたので今もこれからも続けていく感じですね」
「カジュアルにクッソ重い感情を吐くな気持ち悪い」
「ぐへへ。……まあ、さ。モチベーションが何もそこに山があるから的な理由じゃなくても良いんじゃないかって」
「冒険者を続ける理由なんて人それぞれだし、びんちょうみたいにウキウキマンボがモチベーションじゃなくちゃいけない、なんて言うことも無く」
「使命を背負うと危険な時とか後戻り出来なくなるからやめて欲しいけどね~。でもお金儲けとか『大事なことは面倒くさい』とかそういうのは良いと思うんだよな~」
「はまちのモチベーションは?」
「……僕は」
「はまちのモチベーション、一番聞きたいかもな~~~!!」
「ハマッ!?」
「そうそう!あたしさー、昔から冒険のことしか考えて無くて、しょっちゅう『誰もお前についていく奴なんていないよ!』って言われてたんだよ」
「びんちょうにも悲しい過去が……」
「そんな中ではまちが二つ返事で初対面なのに付いてきてくれてさ。あの時はまちがオッケーくれなかったら、下手すると人類に絶望してソロ冒険者になってたかもしれないんだよ!!」
「あー、それは確かに危ないかも。おかしいのは人類じゃなくてびんちょうだけど」
「ぼ、僕こそ……あの時連れ出してくれて有難うね」
「はまちがいてくれるとあたしも自信をもって冒険できるんだ!だからこれからもあたしと一緒に冒険してね!!」
「……ハマ」
「……そっか、そういうことか」
「……?」
「びんちょう、罪な女だな……」
「???」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「終わったーーーーーー!!!!!」
「風呂入りてーーーーーー!!!!!」
「大変なクエストを報告してるのに、コメントがあっさりなのよ」
「うーーーん、エトリアの風土」
「ところでびんちょうとはまちは?」
「二人で先に帰らせた」
「……それは姉心ってやつ?」
「Fooooooo!!!」
「なんとでも好きに解釈しな」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「五日間も潜っていると流石のあたしも街が恋しくなったかも」
「流石のびんちょうもそうなるか~」
「……そういえば、はまちの冒険のモチベーションって聞きそびれた気がするんだけど。結局何?」
「ハマ~」
「あっ誤魔化してる!!教えてよ~!!」
「……内緒。でも、僕は冒険をこれからもずっと続けるよ」
「……信じていい?」
「勿論。僕はたったの二言で君に人生賭けたんだからさ。……これからもよろしくね」
「勿論!これからもずっと一緒に冒険しようね」
(自分の気持ち、ようやくわかったけど言わないよ。まだ言うときじゃない。僕がもっと大人になった時、君の背を超えた時……その時にさ、ちゃんと全部伝えるからね)
(……なんか、未来の姉さんの娘が時間圧縮してたけど、その場合僕って年取るのかな???)
歳をとるかどうかはさておき続く