七七日横丁

この世とあの世とその世

無知蒙昧人間編スタート:逆襲の恵比寿編(ネタバレあり)

「という訳で、ゼウス卒業おめでとう。これで君達は名実ともに無知蒙昧人間だ」

「やったー!!」

「いや、嬉しいことなの~これ!?」

「世の中のこと全部わかってるより、わからないことを少しずつ分かった気になっていく方が面白く無いですか?」

「それは同意なんだけど……言葉のニュアンスがね」

「クジュラ君、ウキウキだね」

「ソレニ対シテピアネキ、最後マデ曇ッテル」

「お前も幸せになれよ」

「幸せにしてくれ」

「英雄ねえ。地元民のはずなのに、すっかり地元が居づらくなってしまった……」

「じゃあ、どっかに引っ越すんです?」

「まだそこまでは考えて無いけど……。ま、その場合は……お前もこいよ」

「……はい」

「キャーー!!」

「これマジで酷いよな!!女置いていくなっつーの!!」

「置いて行かれるの、悲しいもんな~。ギャルもそのあたり、不安に思ったりするのか?」

「そりゃそうだろ。私根は陰よ?」

「むにゃあ……断るのだわ」

「ふぉっふぉっふぉ」

「問題ほっぽり出して消えるな!!解散しろ!!」

「あら、伝統芸能

「卿らもやってるやんけ」

「でもまた一週間くらい旅には行きたいですね。今度は北海道にラーメンを食べに行きたいです」

「ラーメン擦りすぎだろ。余は沖縄だな。リゾート施設が多そうだし、今後深都の観光地化に参考になる箇所があるかもしれん」

「まだそれ言ってるんですか」

「高血圧には注意するんじゃぞ」

「ともかくこれで真ルートも終わり、あとは第六層なのですが……早速行っちゃいます?」

「行こうぜ!!」

「積極的ね」

「だって今までの迷宮は既にDS版で通ってるだろ?それに六層は凄い!!って本に書いてあったぞ!!なんだっけ、見えない落とし穴に大量の理不尽ワープ、それから……」

「……楽しいの、それ?」

「良いことじゃ。六層はそのくらいのモチベーションが無いと、突破は厳しいからのう」

「じゃあ、早速行こう!!」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「キモッ」

「キモッ」

「キンモーーーー!!!」

「ケブクロこういうの駄目なんだっけ?触手とか好きそうかと思ったけど」

「だって不気味じゃない?……ってなんで私が触手好きだと思ったの?というか触手好きって何?」

「あ、わからなければそれでいいよ。というか知らないままでいてくれ」

「滑るね」

「音キモいんだけど!!」

「このぬめりけは……体液かしら?」

「ぎゃーー!!聞きたくなかった!!」

「じいさんは大丈夫なの?」

「流石にわしも直は嫌じゃから10センチほど浮いてるぞ」

「浮いてるんかい……」

「BGM変わってるね!!」

「こりゃまた6層らしいBGMじゃのう」

「あ、二人は一応6層に来たことはあるのか」

「そうなんだけどね……」

「抜け道を開通できたので、セーブをします」

「用意周到だね」

「それから高田、安全歩行を使って貰って良い?」

「モンスターとのエンカウントをさけるのね。解ったのだわ。そこういった世界では私達を捕食する生物から逃れつつ進むのが安全だし、あっているっちゃあっているのかしら?不思議な卵から生まれる生物と言うのは私も気になっていて連想されるのはイースターエッグと言われるものだけれd」

「未知を冒険する時、今まで安全歩行までは使って無かったよね?」

「意図を教えてもらって良いかな?」

「どうやらこの階、FOEが潜んでいるみたいで。そのFOEが戦闘中にこちらを襲ってくるんだよ。我々は一度これで死んでるんだよね」

「おわっ……」

「だから初見のモンスターで盛り上がりたい気持ちはあるけど、それは後回しにして、まずは6層の最深部まで行くことを優先しようと思って!!」

「成程、それなら俺も後でサブクラスでファーマーを取得しようかな」

「まあ!!おそろい!!」

「シノビは固有スキルで消費TP減らせるからね~。助かる!!」

「そんなこんなで冒険を続けますが……扉、これなんだ」

「ナンセンス!!」

「まあ、野営スポット!!」

「こ、ここで!?」

「おかしいだろ!!ここで野営するのはよぉ!!!!」

「でも存在するのだから仕方ないのだわ。目の前にあることだけがすべてなのよ」

「目的の場所に行けないもどかしさはあるけど、それ以外に困る要素は無いかな」

「いや、結構大変だよこれ……なんでそんなに淡々としてるの……」

「良い子ちゃんぶっていた上野の化けの皮が剝がれていく……」

「良いことじゃ」

「頼もしいのだわ」

「あとマッピングミス……特に道がある場所に壁を書くミスは気を付けないとね」

「先輩寿司ギルドも、エトリアの29階で正しい道に壁を書いて地獄を見たって言ってたもんね」

「迷うということは人生と同じことなのだわ。それならこの第六層は人生と言っても良いと思うの」

「どうした急に」

「なんだこれ。新大久保さんにあげるか」

巣鴨様が装備しているところもそれはそれとして見たいけど」

「22階に着きましたが……不可視の奈落、ねえ……」

「早速嫌な予感がするんだけど」

「すぐに階段があるわね!!」

「……この階のギミックは大体見当がついたよ。それじゃあ、みんな早速いこっか。……どした?」

「……一旦戻りません?」

「もどろもどろ」

「え、ここからが楽しいところじゃない?」

「わしも戻るのには賛成じゃ。それに、せっかくここからは本当に未知の世界なのじゃ。万全にして挑もうでは無いか」

「うーん、そういうことだったらしょうがないね。じゃあ一度戻ろうか」

「疲れたのだし、帰ったら目黒にあま~いケーキ、焼いてもらうのだわ!!」

「……でも、この層いると食欲無くなるんだよな」

「ケーキは良いけど、暫く魚介類は食べたくないかな」

つづくつづく