「24階に着いた瞬間、衛士さんに会いました。ジャガーノート倒したん??」
「別ルートから来たみたい。バーローがこっちに注意を向けている間に来たってことかな」
「つーかまた死者が出ている……幾ら大公の為だからって、人民が死に過ぎなのよ、いいの?」
「思ってたんだけど、綺麗なステンドグラスだよな。ババア、これで手を打ってくれないか?」
「むむむ……まあ、ちょっとだけ許してやろう……」
「あまりの解釈違いに燃やし尽くす勢いだったから、良かった」
「大事件になる前で良かった」
「ワン!!」
「人で通信するのやめて貰って良いですか?」
「あと下の階で見つけたメッセージの続きみたいなの、見つけたよ」
「これもしかしてバーローの記録なのかな?」
「日記みたいだね。音声録音してやるタイプかぁ。便利そう」
「うん、じゃあ行こうか」
「いや聞きなさいよ」
「……寂しい人だな」
「あ、えんがわさんは話聞いてくれてる」
「あいつの喋る高圧的な言葉は聞く気になれないがな」
「コイツは最初は誰かを守るための研究だったかもしれないが、結局最初の目的なんてない狂人になり果ててしまったんだな」
「なんだかやるせないですね」
「誰かのため、でもその誰かが自分の思想と違う思想を持っていたら、その『誰かのため』は一体何のためになるんだ?」
「……」
「あんたもいずれ自分でギルドを結成し、仲間を集めるとしたら、そのあたりをきちんと考えておくんだな」
「えんがわーー!!見て見てーー!!なんか下に続く階段あるよー!!」
「……一番良いのは、あいつらみたいに『自分の為』だけを考えること、なのかもな」
「そう、ですね……(ちょっとフリーダム過ぎる気もするけど)(あとえんがわさん吐いたの??)」
「22階まで降りてきちゃった!!確かに明らかに他に部屋がある感じだったからめっちゃすっきりした!!」
「判定きつすぎると自由なマッピングに支障が出るのは解るんだけど、右上何も書いてないのに『完成した!!』って言われて笑っちゃった」
「あとこれめっちゃリフトに乗ってる最中なのよね」
「ゼラチンも5層後半ともなるとマシマシになっております。まいわし、お味は?」
「うーん、ゲロマズ!!!」
「oh~~~~~」
「help me~~~~~~~」
「めっちゃ楽しそうだね」
「由緒ある観光地みたいなところあるからな」
「糸さえ忘れて無ければ、全滅することも無いしね」
「ところでこの写真の詳細、誰か覚えてる?」
「うわーーー!!僕以外死んでるーーー!!!」
「はまち以外死に過ぎてもう何も覚えてないわよ」
「パラディン、いいな……」
「パラディン、最高~!!(カメラに向かって手を上げながら)」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「25階に着きました!!ハズレの部屋に入ったら爆発四散するやつかと思ってたけど、単にFOE避ける用でした」
「もしくは格付けチェックのあれ」
「しめさば、三年連続移す価値無し」
「あんたもね。はまちとびんちょうは結構良い線いきそう」
「まいわしは……全然想像つかないけど、盆栽とお菓子の盆栽だけは百発百中だろうなあ」
「……」
「悪いとは思ってるんだよ!!でもFOEが多いんだよ!!」
「ハマ……」
「元気出して、はまち」
「くーん」
「初プレイ時、メンバー入れ替えなかったと思うんだけど、どう潜り抜けてたんだろうな」
「死にながら進んでたのかね」
「ガキはごり押しが好きだからね」
「ちょっと面白いなーと思ったのはこのFOEギミック。今まではFOEが道をふさいでいるから、夜に樹海に来ないといけなかったけど、今回は夜だとFOEが巡回しちゃって道を通れなくなっちゃうから、逆に昼に来る必要があるってところ」
「今までずっと夜に来るパターンだったから、これは素直に『そう来たか!』って感じで面白かったよね」
「あと割と良いところまで来て、最初に戻されるなどと言うスーパー世界樹の迷宮みたいな目にも遭いました」
「あばばばばばば」
「はまちを連れて行けというお連れだよ!!さあ、糸もってギルド来てパラディンをパーティーに加えよう!!」
「はいはい」
「……そういえば、ギルドで思い出したんだが」
「24階攻略中にギルド長が言っていたことが引っ掛かってな」
「ああ、城の住民が何処へ行ったかって話?」
「そもそもこの城って生活感があんま無いのよね。長年経ってるって言うのもあるんだろうけど」
「エトリアの五層は、役所っぽかったけど……となると、ここは実験場?」
「かもしれないな。話を聞いている限り、バーローも何かしらの技術者っぽかったし」
「でも、住民はなんでこのお城、捨てたんだろうね。金ぴかが気に食わなかったから?」
「ひ、否定しきれない……」
「確かに趣味は悪いけどね……。でも、何となくわからなくも無いかも」
「そうなの?」
「ピンと来ない話かもしれないけど、故郷ってずっと特別なものなんだよ。どれだけ離れていても、心はずっとそこにあるというか。もし一生何処かで暮らせって言われた時、多くの人は故郷を選ぶんじゃないかな」
「……故郷ってそんな感じなのか」
「勿論、かんぱちみたいに故郷が嫌で飛び出して来た人もいるけどね。でも人は『いつか帰るところ』を持ってて、この城にいた人たちにとってはそこが地上なんじゃないかなって」
「ま、何にせよ詳しい事情はバーロー君に直接話を聞くのが一番手っ取り早いかもね」
「明らかに向こうにいんだよな、バーロー君がYO」
「急いでいる訳じゃないし、一旦帰って色々野暮用済ませたり作戦考えたりしよっか」
「おっけー」
「ハマー」
「随分のんびりしているな……」
「我々は常に自分のペースを大事にしているのです」
「巣鴨様、僕は今『いつか帰るところ』にいるからね。急ぐ必要なんて、少しも無いんだ。そう考えるとバーローはもう帰るところが無いんだから、可哀想だよね」
華麗に続く!!