「なんやかんやありましたが、探索メンバーはこうなりました」
「……なんでジジイ若返ってるの?」
「気の迷いじゃ」
「一生若返ってて」
「びーえるの妄想に使う気じゃろ?駄目じゃ」
「まあ……結局おじい様になってしまわれたのね」
「わしはこっちのフォームの方が好きなんじゃよ。若い時はちと、やんちゃしすぎたからのう……」
(どんな過去がジジイに……)
「おやおや、この声は……」
「久しいな、『輪るデンドラム』よ。一連のアレコレでは世話になったな。おかげで何もかも全て怖いくらいにうまくいった」
「いやいや。でも本当に何もかも全て怖いくらいにうまくいって良かったのう」
「今回はそのメンバーで迷宮に挑むのか。それにしても……」
「見て見て!!さっきそこで変な貝殻見つけたー!!!」
「むにゃ……キリン……ラッコ……クーロンズゲート……」
「もー!!高田また変なところに行ったら駄目だよー!!!」
「……」
「ふぉっふぉっふぉっふぉ」
「……見ない間になんか……『じいじと孫たち」って感じだな」
「良い表現じゃ。さすがわしの孫じゃ」
「……俺も孫なのか」
「……伝統芸能だから、例の選択肢をやるぞ。素直に答えても良いが、俺の好感度はこのうち一つでしか上がらない。十分考えるんだな」
「これは新米冒険者だね。そうじゃないと凄く怒られるの、知ってるよ」
「正解だ。好感度10アップだな」
「わーい!!ふふーん」
「良い子じゃ」
「ちなみに、好感度を上げると何か起こるの?」
「何も起こらん」
「なんじゃそりゃ」
(……)
「……ところでケブクロはなんで黙ってるの」
(言えない……昨日ケトスさん×クジュラさんのそういう短編小説(※全年齢)を読んでいたなんて……言えない!!!さっきからクジュラさんがそういう感じになっているところを想像してしまうなんて……言えない!!!)
「むにゃ……腐臭がするのだわ……」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「とまあ……早速探索をしている訳ですが……厳しいですね。特にタイタンアルムが出てくると……うん」
「幣パーティー、ケブクロから腐敗が広がると、何故かケブクロの妄想まで脳内に浸食してくるから、かなり地獄です」
「うわーーーー!!!!!恥ずかしい」※腐女子
「むにゃ……ゴフッ!!!!!(食あたり)」
「……ところでケブクロ、めぐたまって……何かな?」
「ナ、ナンノコトダローーーー!!!!!!」
「ケブクロのせいで気が散って全滅しました」
「わ、私のせい~~!!?」
「お馬鹿!!」
「モンク以外紙耐久だから、推奨レベル(階数×3)でも厳しいのだわ!!全滅全滅!!つまりは禅滅?? 禅の心で挑んだときだって滅してしまえば死んでしまうし、なんなら事故と言うのは禅の心を持っていたとしても起きてしまうのだわ!!ところで以前私が東の国のお寺に行ったときに……」
「高田、見て。ハンカチをバナナにしてみたよ」
「まあまあまあ!!」
(扱いを覚え始めたな……)
「全滅は怖いことでは無いぞ。ワシらに危ういところや危険なところ、欠点を教えてくれる大事な存在じゃ。大切なのはそこから学ぶことなのじゃ」
「お、良いこと言うね~!!」
「ともかく、耐久のことも考えてレベルは必要以上にあげて置いた方が良いかも。また大航海クエスト行くかぁ……」
「じゃあまたあの絵面の凄いロイヤルガーズと共闘するのか……」
「そんなこんやなんやかんやあれやそれやどれやこれやありながら地下2階の奥の方に来たら、まあ!!!!」
「あ!!!!!テント押し付けお姉さん!!!!」
「……ってデンドラムの人たち……貴方達だったの」
「急に営業スマイルが消えた」
「正体ばれているから別に問題は無い」
「まあそりゃそうなんだけどさあ……」
「ふぉっふぉっふぉ。流石わしの孫じゃ」
「いつの間に孫に……」
「ともかく、今度会うのは第二層だけど、その時は……まあいつもの通りに」
「オッケー!!命を狙いに来るんだね!!でも全然大丈夫!!」
「軽いなあ、命……」
「こちらも今更殺生を行うつもりはない。なんなら、今そのせいで色々厄介なことになってるから……」
「厄介なことって?」
「NPCの間にも色々あってな。私の行動の責任は全て深王様が持つことにはなったけど」
「せ、責任押し付けられてる王~~!!」
(NPCも色々あるんだな……)
「むにゃ……オスカーワイルド……」
華麗に続く!!