「めっちゃ見切れていますが三階名物、赤いFOEです」
「エトリアと同じようにカマキリだったね」
「雑魚モンスターの攻撃が強烈すぎる……私さっきからめっちゃ死にまくってるんですけど」
「今回はエトリアでほどヘヴィストライクも威力ないみたいだし、まいわしには後衛でサポートしてもらおっか」
「というわけでえんがわ、前線へ」
「俺ぇ!?」
「他に誰がいるんだよ」
「あら、この間のイケメン聖騎士さん」
「フロースガルさんから詳細は聞くことができませんでした。ぐぬぬ……」
「考えられるのは、大体強いモンスターが現れたとかだけど……」
「エトリアでもスノードリフトとかあったからな。ただ気になるのは、フロースガルの声色がかなり切羽詰まっていたことだな」
「スノードリフトは新人教育のために、ミッションが発令された感じだったけど、今回は明らかにそうじゃなさそうだったもんね」
「とにかく、言われたとおりに大公宮に行って話を聞きましょう」
「え、萌えキャラ?」
「なんかこんな感じの人まんがタイムき〇らで見た気がする」
「……今回のヒロインってこのおじいちゃんなの??」
「これはあまりにもあざとすぎる」
「思わぬ伏兵……」
「ええー、衛士さんたちが行方不明になっちゃったの!? 10人も!?」
「衛士さんたち、迷宮の調査頑張ってるものね。それと比べるとエトリアって結構冒険者任せだったな」
「目的が違うからな、エトリアは」
「かなり便利そうなアイテムももらえたぞ。これを使えば、FOEが道をふさいでいても、道を通る手段が出来た訳だ」
「強敵と戦う前とかによさそうだね。体力温存しながら戦えるよ!!」
「そんなこんなで戻ってまいりました」
「他にやらねばいけないことって……そういう含みのある言い方は、この樹海では辞めて欲しいんだけど」
「何か事情があるんだろうね。でも樹海では抱えるものが重ければ重いほど、リスクになっていくから……ほら、僕たちを見てごらん。びっくりするほど何も抱えてない」
「いつでも身軽です!!」
「とかいってふざけられる空気でもなくなった!!」
「エトリアでもここまで凄惨な光景は見たことが無いな……。モリビトとのアレコレも、結局俺達によるファイアーダンスで平和的ゴリ押しで乗り切ったし」
「命を奪いたくなかったとはいえ割とそれ黒歴史っす」
「踊ったねぇ5人で……普通に戦うよりも恐怖された気がする」
「一通り部屋を見たけど、あとはあのFOEが道をふさいでいるところだけかあ」
「ここでさっきの引き寄せの鈴を使えってことね」
「図が出て来た!!これ絶対リマスター版で追加されたやつ!!」
「こんなに便利だと、あのカニ歩き出来なかった日々ってなんだったんだろうって思えてくるよね」
「お、来たな」
「よし!!今の間に!!」
「い、生き残ってる人いた!!とりあえずまずは健康状態確認しなきゃ!!!」
「平気そう?」
「ぱっと見軽い栄養失調と疲弊って感じ……ご飯あげて糸で街まで帰したから、あとはカトゥゲスな眼鏡のおにーさんが巧くやってくれると思うよ」
「無事な人がいてくれて本当に良かった!!そしてミッションを報告するのを忘れて先に進む、びんちょうあるあるをまたやってしまいました」
「本当に樹海を冒険する以外への関心が薄すぎる」
「さて、新規ミッションが発令されたぞ」
「ヒロインは受けて欲しそうだけど、どうする?」
「うーん、とりあえずスルー出来るまではスルーで」
「そういうと思った!!」
「じゃあ早速次の準備しよっか!!」
「え、いいんですの!?」
「あれ、かんぱちいたんだ」
「たまたまそこを通りかかっただけですけど、ツッコミ役が不在で、つい声を掛けてしまいましたわ!!わたくしのサイコパスキャラがますます薄くなっていく!!……おほん」
「わたくしも人助けには微塵も興味無いですし、びんちょう様も基本的な理念は『冒険がしたいだけで、使命なぞ勝手に背負わせるな』なのは解っています。ですが!!ミッションはくっせぇくっせぇ正義だろうが何だろうが、受けないと先に進めないじゃないですか!!どっかで二度手間になりますよ!!」
「うーん、それもそうなんだけどさ……」
「それはそれとして、どのくらいミッションスルーできるのかも気にならない??」
「……確かに!!」
「わたくしとしたことが、つい最終結論ばかりを急いでしまいましたわ!!結末が一緒でもその間の過程が大事なのですのよね!!」
「かんぱちさんも段々解って来たね~~」
「勿論、びんちょう様は今でも変な奴だと思ってますわ!!でもやっぱりみなさまがいらっしゃるからこその幣ギルドなのですわ~~!!」
「「「HAHAHAHAHAHAHAHA」」」
「……ツッコミ、遂にいなくなっちゃった」(通りすがりのサヨリさん)
続く!!!