「先に進もうとしたら、あっさんがいました」
「名前忘れたでしょ」
「そんなことないもん!!あ……ア……」
「うん、もういいよ」
「エスバットさんって別に公宮直属の冒険者とかじゃないのに、どうして事務仕事みたいなのしてるのかしら」
「熟練の冒険者に直接依頼を出して、後輩の育成をしたり、こういった事務的なことをさせたりすることはあるぞ。うちにも依頼が来たことはあるが、断ってる」
「えーなんで?給料よさそうじゃん」
「俺たちが真面目に仕事ができると思うか?」
「無理だね」
「無理だわ」
「とか言ってたら急に爆弾発言が飛び出して来たぞ」
「ええー!!じゃあじいやと同じ考えだったってこと!?あんなに止めてくれたのに!!見損なったぞ!!」
「解散しろ!!」
「びんちょうが何も言わずにNOにカーソル動かしてて笑う」
「地上で死した魂をねぇ……」
「死後の世界ってことでしょ。ありがちな伝承」
「……マジ?」
「どういうことなのかしら……」
「詳しく話を聞かせなさい!!!」
「いや言えし!!!!!」
「今は、か。じゃあこの後戦うことになるのかな」
「でしょうね。ま、今までもこういうこと、無かったわけじゃないしね」
「何処でも、先に進まれると困る奴がいるってことか。面倒なこった」
「どんな人が立ち塞がろうとも、あたしたちは進むだけだよ!!」
「あ、良かった喋ってくれた」
「正直ちょっと怖かった」
「ごめんね黙っちゃって。でも今後あの二人と戦えるのなら、むしろワクワクしてきちゃうな!!しかも本気でこっちの冒険を止めに来るなら、本気の戦いが出来るじゃん!!楽しみーー!!」
「めっちゃポジティブやんけ」
「びんちょうはポジティブなのが一番!!」
「……そうだな。俺たちは止まらないし、止まらせない」
「私達マグロみたいなものだからね。立ち止まったら死ぬので」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「忠告されたことを忘れて先に進むぞ!!なんかめっちゃ懐かしい敵いるな!」
「こいつがいるのなら、もしかしてスノードリフトもいるのかな?」
「スノードリフトを中心に群れをつくっているのはエトリアくらいだろうな。なんだかこいつらは統率があまり出来ていない気がする。第一FOEじゃないし」
「あと潜伏してくるFOEがいました。今回は逃走成功しましたが一度コイツに全滅させられました……」
「場所によっては壁に背を向ける形になっちゃって、逃走失敗するんだよね……」
「僕達って全滅ってどんな脳内設定になってるの?」
「俺とびんちょう辺りが三人の死体(※生きてる)を引っ張って、狼煙をあげてそれに気がついたババア達が助けに来てくれる感じですね」
「世界樹は危険じゃからのう。みんな気を付けるのじゃ」
「わん!!」※木陰から見守るババアとツブ
「道中でじいやにも会いました」
「寿司連盟に放たれた言葉は……!!」
「うん、知ってた!!」
「オッケー!!受けて立っちゃうぞ~~~!!!!」
「〇害布告されているのに、ニッコニコの笑顔のびんちょうに流石のじいやもドン引きしていました」
「じいやのことはまあどうでも良いよ。それよりも、全体的にこの層はFOEが多すぎるな……ここは……」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「今日からね~僕はルシファーってことで♪」
「と言う訳で、まさかの調査隊に加わりましたきびなごです」
「ざまあないね」
「おお~有難う!!助かるよ!!」
「戦闘面はアザステ大爆炎チェイスでなんとかなってたし、探索に便利なスキルを持ってくれている人がいると、めっちゃ助かるわ」
「……ムスーッ」
「は、はまちの気配が!?!? あなたメンバーから外れたはずじゃ……」
「だって僕だけみんなと仲間外れなんてひどいじゃないか!!僕だってみんなと一緒に冒険したいのに!!」
「だから気を飛ばして会話に加わっています」
「よくわからないことやめて!!」
「あ、横に巣鴨様がいらっしゃるから、ちょこちょこ回線に入ってくるかもしれないけど、気にしないで」
「回線があるの!?というか巻き込まないで!!」
「そっかー!!じゃあみんなで一緒に行こうか!!」
「いや、そこスルーせずにもっと色々突っ込もうよ!!気って何!?回線って何!?教えてはまちーー!!!」
「きびなごのお陰でスルーせざるを得なかった宝箱も回収できちゃいます!!」
「普段のメンバーも良いけど、こっちでみんなと冒険するのもちょっと楽しいかも」
「ほんと?しまあじがいなくても楽しいんだ」
「最近しまあじのことが解らなくてね……前は些細なことにも気がついてエスコートしてくれるような人だったのに、最近はトラッピングの練習とか言って急に反復横跳び始めたり、道端に落ちてる鳥の死体逐一報告してくるし」
「びんちょう、あんたのせいよ」
「あ、あたしぃ!?」
「でもさ、最近はしまあじとか抜きにして冒険が楽しくてさ。未知への期待、難所への創意工夫、そういったことを愛する気持ちも徐々に強くなってきている……」
「正直めっちゃ悔しい」
「え、なんでいきなり死のうとしてんの!?情緒不安定過ぎない!?」
「君にはわからないだろうね。でも悔しいんだよ、僕がしまあじ以外のことに執着する日が来るなんて……まだ認めたくないよ」
「その答えはゆっくり見つけて行けば大丈夫だよ!! 簡単に受け入れることができないことって、あるからね」
「びんちょうに慰められる日がくるなんて不思議」
「びんちょうは意外と考えてるからね!!ふふーん」
「なんであんたが得意げなのよ」
「一番の相棒みたいなもんだしな、お前らは」
「良いじゃんそういうの、僕結構好きだよ君たちの関係性」
「「「HAHAHAHAHAHAHAHAHA」」」
「……凄く良いシーンなんだろうけど、うち一人今気を飛ばして参加してるし、銃装備できない職業が自分の頭に銃口突きつけてるしでちょっとよくわからないんだよね。なんだこれ」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「……平和だな」
「あのプリンスさんがツッコミ役を全部やってくれて、すっごく助かるな」
「ただいまー……って兄さんとお客さん?」
「どうも、しらすでーす。お前の兄ちゃんの幼馴染です」
「どもども。ところでヒラメは?」
「今日明日と泊まりで樹海に潜ってるから帰ってこないぞ」
「ふーん。じゃああたしもお茶に入れて貰って良い?」
「別に構わないが……どうした?」
「いや、せっかくだから兄さんがうちに来る前の話とか、色々聞かせて貰おうかなーって。そういうの全然話してくれないじゃん」
「お、全然してやるぜ!!じゃあまずはサヨリがその辺の雑草を食った話から……」
「やめなさい!!!!」
続く!!