七七日横丁

この世とあの世とその世

VSモンスターの群れ:びんちょうオデッセイ(ネタバレあり)

なんだこの選択肢は

「𠮟りつけるって……注意を促すとかじゃ駄目なのかな?」

 

「殺気ルームに来たから、まずは交渉と行こうか」

冒険者同士で争うなんて後腐れ凄いし、めんどいし避けたいよね」

「……待ってください、なんで樹海にギルドメンバー全員で行ってるんですか」※回線で繋がっている巣鴨

「わりかし重要な局面だと、幣ギルドはルールを破りますね」

「みんなで寿司連盟だからね~」

「ちょっと羨ましいけど、ルール破ってる時点で素直に憧れられない……」

「はーーー、このクソジジイ!!話は聞いておりますわよ!!」

「未知の魔物に襲われた冒険者の背中の傷……どう考えても貴方ですわよね。わたくし、命のやり取りは好きですが、命を軽んずる人は大っ嫌いですの」

(軽んじて無かったんだ……命)

「シリアスかんぱちさん……」トゥンク

「誰か早くAボタン押して。物凄く微妙なタイミングで恋が始まりそうな気がする」

「……」

「……」

「……」

「天の支配者ってこの間アーテリンデが話していた?」

「おとぎ話だと思った?残念現実でした!!ってやつ?」

「……」チラッ

「妾は不老不死じゃないぞ」

「わん!!」

「永遠の命……おんげろげーーーーですわ!!」

「とか思ったらもっとゲロカスキショ案件でしたわ」

「端的に言うとモンスターに改造されたってこと?」

「でしょうね。多分不可能では無いと思う……。やるには道徳が欠けて無ければ出来ないと思うけどね」

「……それで、みなはどうするのじゃ?この先命を落とした挙句改造された哀れな娘と戦うことになる。それでも、進むのか?」

「……皆さん」

「……自分は……」

「気持ちは解るけどな、でも俺達にだって止まれない理由はあるんだ」

「俺にとって冒険することは生きることと同じだ。それが誰かを傷つけることになったとしても……冒険を続けなくてはいけないんだ」

「ここで終わらせたら、それこそエトリアから築き上げてきたもの、全て無駄になっちゃうからね」

「ま、今更引き返しはしないよ」

「ハイ分かりました!! なんて言えませんわ。わたくし達も、中途半端な思いでこの樹海に挑んでいる訳ではありませんからね」

「今までだって無理難題だったり、よくないことに加担されかけたりした。けど、それは私達を止める理由にはならなかったんだよ。だから今回もそう」

「それにその話が本当なら、先に進んで医者として『天の支配者』とやらに一発ヘヴィストライクをお見舞いしないといけないのよ!ふんっ!!」

「I am はまち」

「あたしの最も尊敬する冒険者はね、彼自身の偉業と行動が、また別の冒険者の命を落とすことに繋がったんじゃないかって、ずっと言われてたの。もしかしたらそうかもしれない。あたしだって誰かのそんな存在になっているかもしれない。だけどたとえ誰かを傷つけてしまったとしても、あたし達は冒険をやめられないの!!申し訳ないけど!!!!だから!!!!!!!」

「まあ今回はあたし参加しないんだけどね!!!!」

世界樹の迷宮だからね!!!!!」

「さ、さっきまで良い感じにシリアスだったのにな~~~!!!!」

ブッフォwwwwwwじいやのポーズ何なんですかwwwwwww

「すっげーー!!格好いいであります!!」

「グルルルルルル……」

「お主ら一旦落ち着くんじゃ。いいか、まず狙うのはライシュッツの方じゃ」

「戦闘メンバーはご覧の通りじゃ。ツブは『陽動』と『忠義の心』に特化させてスキルを振っておる。妾は最初ツブに防御をかけてから、お主らアタッカーに攻撃力上昇をかけるぞ」

「ワン!!」

「凄い!!しかもかなり庇ってくれます!!ところでツブちゃん、若い女性の肉と老人の肉はお好きですか?

「……?」

「変なものを食わせるでない」

「ツブ殿も自分のをかばった分はかなりダメージ受けていますね」

「お主がどのようなコンディションで攻撃を受けたかによってツブのダメージが変わる。ヒラメはチャージショットを使っているから、その分下がった防御力の影響を受けているんじゃ」

「ちなみにこれがチャージショットを撃っていない時のダメージじゃ」

「こうしてみるとかなり防御力下がるんですね……ツブ殿、有難うございます!!」

「ワン!!」



「じいやは早いところ片付きました。確かな筋からの情報によりますと『ハッピーショット』というご機嫌な技があるそうですが、何度か挑戦したものの最後まで飛んでくることはありませんでした」

「食らうとランダムで状態異常がかかるからのう。そしたらドクトルマグスの巫剣が飛んできて地獄だから幸いだったのじゃが」

「アーテリンデさんは、体力が少なくなってくると『描かれた花』という回復技を使ってきます。幸いこちらはガンナーにブシドーと高火力が二人いるため、一気に押し切ります!!」

「途中なんとなく転化を使ってみたんじゃが、特に意味は無かった。普通にこの後市販されるようになったアムリタをみんなでがぶ飲みしたぞ」

「マジで余計な下りでしたね、これ」

「ちょっとちょっとぉ!!転化ってすごくえっちな技だって聞いたんですけど!!今のだとただミワミワしてるだけなんですけどぉ!!」

「黙って見てろエロガキ!!」

「まあそんなこともありましたが……」

「「「やった~~~~~!!!!モンスターの群れを撃破したぞ~~~~~!!!!」」」

「ワオ~~~~~ン!!」

「あのー、わたくし一応エトリア突破してますのよ?舐めすぎなのでは」

「い、いえ。もしかすると自分のことを言っているのかもしれないであります。銃士としてライシュッツさんを倒したというのはかなり快挙……かもしれません」

「かもね!!でもヒラメ、急いじゃだめだからね?」

「……はい」

「そりゃどうも」

「任せておきなさい。私たちがひとまず一発ずつ腹パン入れてくるから」

「物騒だな~~~~!!!!」

「……待て、あいつらさ……街の人たちの話聞く限り、俺たち以外の冒険者も襲ってるよな?」

「しかも他のギルドだと死人も出てるって……」

「つ、捕まえろーーーーー!!!!あいつらをポリスメンに突き出せーーーーーー!!!!!!」

「己の!!!!罪から!!!!!逃げるなですわーーーーー!!!!!」

「うおおおお懸賞金懸賞金!!!!!!」

「姉さんはこんな時でも金なのかい!!!!姉さんらしいけど!!!」

「そしてしれっとモンスターとして登録される人間」

「倫理観が天の支配者と一緒なんよ」

「毎度おなじみはがされる身ぐるみもあります」

「私たちも負けず劣らず鬼かもね……」

 

この後エスバットの二人はギルド丁抹全国寿司連盟の尽力もあり、ポリスメンに突き出された。

エスバットの二人をうまいこと倒せてしまった寿司連盟は確かな手ごたえを感じていた。しかしこの先とんでもない高い壁が立ちはだかっていることを、今はまだ誰もしらない――

 

華麗に続く!!