七七日横丁

この世とあの世とその世

生きるすなわち迷宮:びんちょうオデッセイ(ネタバレあり)

巣鴨さん!!6層は世界樹の迷宮の中でもとりわけ面白いんだよ!!なんの法則性も無い無数のワープゾーン!!大量の見えない落とし穴!!フロア一杯に広がるダメージゾーン!!先制されたら一瞬で抹殺されるくらいの強敵たち!!ああ~~~今すぐにでも冒険した~~い!!!」

「……面白いんですか、それ」

「……うん」

「まあ、ね」

「びんちょうがいなかったらスルーしていたでしょうね」

「でもびんちょうがいると、どんな地獄ギミックも理不尽モンスターも面白くなるんだよな」

「状況が悪くても、その場の空気が悪くなることは絶対無いからね」

「冒険中の空気ってかなり大事だからね。巣鴨様も今後ギルド作るときは、加入するメンバーの人間性も考えた方が良いよ」

「は、はい……!!」

「明らかに怪しい地面があるなあ」

「意味が無いな……」

「起動するのに何かしらのギミックを解かないといけないみたい」

「あれ、これが階段?」

「浮島が沢山あるからその移動装置みたいなものでしょうね。古代の文明はどのくらい技術が進んでたのかしら」

「あれ、何か見えるよ」

「よし!!見て来いはまち!!」

「ハマー」

ポケモン?」

「ハ、ハマ~」

「はまちがへばっている!!」

「はまち!!人の心を思い出して!!」

「……びんちょう、六層はもうちょいお預け!!」

「う、うそーーーーーーーー!!!!」

「と言う訳で、酒場に来た。こういった時は情報が一番集まる場所に行くんだ」

「格好良く言ってるけど、当たり前のことなんだよな」

「そしたら二つくらい気になる依頼があったね(スクショは取り忘れた)」

「オ、オヤジ;;;;;」

「こんな大人が幼少期傍にいて欲しかった;;;;;;;;」

「あんたたちも色々苦労してたのね……そういえばファーストコンタクト、エトリア入り口で行き倒れてるところだったもんな……」

「本当に、今は恵まれた環境にいると思うよ」

「早速大公宮に行きましょうか」

「ストーリーボス倒した後もまだお世話になるとはねぇ」

「エトリアは、本当に町の人との交流とかあんまりできなかったからなあ」

「酒場のオヤジ;;;;;」

「ヒロイン;;;;;;」

「これが人のぬくもり……ヌクモリティ……」

「気持ちは解るけど、一々感動してたら話進まないから一旦黙ってて!!」

「諸王の聖杯と対を成す存在、か」

「欲しいね、それ」

「真っ先にその発想になるの怖いです」

「でもさー。せっかく諸王の聖杯も手に入れたんなら、ワンセット揃えたいよなー」

「……えっ」

「どうかしましたか?」

「持ってるんですか、諸王の聖杯!?」

「だって樹海の取得物は基本冒険者のものになるってルールだよ?大公様のお薬作ったら、あとはもうボク達で使うしか無くない?」

「というか、うまい具合に魔改造したから今更返してもどうだろね」

「ま、魔改造!?」

「いや~~しめさばが一時期遺伝子について学んでいて良かったのう。そして妾が長い間学んできたこともここで生かすことができて良かった!!」

一人の男が身体を改造してまで研究を続けてきたことを、簡単に踏みにじるのは流石に度が過ぎた脚色です

「「「ご、ごめんなさい……」」」

「ワ、ワン……」

「で、でも流石に超えてはおらんぞ!! 柔軟な発想を加えただけじゃ」

「完成させたわけじゃなくて、魔改造したからね」

「だとしても酷いと思います」

「ねえねえ巣鴨さん」

「……?」

「え、いやあの……何やってるんですか?冗談でも拳銃を頭に突きつけるのはやめた方が……」

「っ……!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

「……」

「っ……ふぇjふぇいあおhふぇうhふぁおkhgじぇじょいjh!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?」

「落ち着いて巣鴨さん、ほら、生きてる。頭も塞がってるよ。諸王の聖杯って凄いね!!

「いやでもでもそれでもでもでもでもでも……」;;;;;

「ふふっ巣鴨さん本当に良い反応するなあ」

「こらーーーー!!!巣鴨様を泣かせるなーーーーー!!!!シールドスマイト!!!!!」

「げぼばっ!!!!!!」

「うわーーー!!きびなごさんが木っ端みじんに!!!」;;;;;

巣鴨様を虐める奴は僕が許さないぞ!!」

「一番泣かせてるのはまちだけどね」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「話がそれまくりましたが、依頼はもう一つの聖杯を探して確保して欲しい、という内容でした。と言う訳で、天空の城に戻ってきたよ!!」

「ヒロインの話を聞く限り、バーローの私室の近くな気がしてきたが、案の定ビンゴかもしれないな」

「そういえば、さっきバーローの私室にしめさばの私物が置いてあったんだけど、住むつもりなの?」

「うん」

「目が痛くなりそう」

「如何なる命をも奪う力……これもバーローが作ったのかな?」

「全くなんてものを作ってくれるんだか……。あ、でもあんまり悪く言い過ぎると巣鴨君に怒られる?」

「大分肩入れしてる感じだったね」

巣鴨様はいつもあんな感じで、どんな人にも優しいし、どんな人にも必ず良いところを見つけるような御方だよ。唯一本気でちょっと嫌がったのって目黒将軍くらいじゃないの?」

「そんな慈悲深い男がちょっと嫌がるって、なにしたんだよ目黒って奴は……」

「自分の権力の為にしつこく巣鴨様に近づいたからね~。でも目黒さんボウケンシャー面だし、この先なんやかんや巣鴨様とも和解するんじゃないかな!!」

「メタいな~!!」

「そうこう話してる間に、それっぽい奴発見!!早速確保確保」

「確かもう一つくらい気になる依頼あったよね。それも見て見よう」

「もう一つの依頼……これは、もしかしてナーンさんからかな?」

「そうっぽいね。勝手に人の城を待ち合わせスポットにするのはいかがなものかしら」

「ボウケンシャーも続々来てるし、やっぱり無理があるんじゃないの……?」

「そんなこんなでやってきました。ナーンさん元気そう!!」

「何?この城の所有権?」

「しめさば、一旦落ち着け」

「バーロー……オーバーロードは……神ではなかったな」

「人間だったね。なんなら、私達よりずっと人間だった。なんなら、はまちより人間だった」

「ハマァ!?」

「人間であることをアピールしたいのなら、その鳴き声みたいなのやめなさい」

「……何のために、生まれたのか……一族の……長として……」

「びんちょう、お前はこういうのが嫌かもしれない。だけど……俺はこいつらの力になってやりたい。……力を貸しても良いか?」

「全然問題ないよ!いつもあたしのやり方にばっかり合わせてもらうのも悪いしね!!」

「有難う……」

「結果的に先へ進むヒントももらえたしね!!」

「これが鍵、か。かなり厳重だけど、6層は一体どんな場所なのかな」

「そんで、起動の為にはこれに血をね……大物ってことはFOEかな?」

「そうでしょうね」

「ちゅー訳でFOEを狩ります」

「正直一層のFOEより五層の通常モンスターの方が強い気がするんだよな」

「多分サイズの問題じゃないかな?」

「そしたらゼラチンキングでも良くない?」

「確かに~~~。じゃあその層のヒエラルキーの上位を狙えってことなのかな?」

「そっちの方がしっくりくるかも」

「何体かFOEを狩っていたら、良い感じにキモくなりました」

「とにかくこれで準備は完了!!早速冒険の続きをしよう!!ウキウキが止まんない!!!!!!」

「落ち着いてびんちょう。冒険は逃げないからね」

「はまち、それ割らないでね!!」

「ハマッチ」

「……何のために、生きてるのか、か」

 

(それは思い出せないし、解らないけど、少なくとも今は幸せだな)

華麗に続く!!