「それでは私は国に戻ろうと思いますので……はまちのことをよろしくお願いします」
「いえいえ。こちらこそ、はまちのことを今までありがとうございました。あの子はこれからも迷惑をかけると思うけど……よろしくお願いします」
「はまち……あの子は奇行が多く城の中でも浮いていました。そんなあの子が、こうやって自分の『いつか帰るところ』を見つけることができて、本当に良かった。……それはそれとして、鍛錬はもう少ししっかりやって欲しいんだが……」
(この人、なんやかんや可愛がってるんだなぁ。はまちのこと)
「自分はもう少しハイ・ラガードで残って金稼ぐっすかねーー!!」
「先輩、それならペット雇おうよ。もっと稼げると思うよ~」
「確かに……ペットにも俺達レンジャーの地位は脅かされているのか」
「それは言わない約束っす」
「キンメ、お前も実力付いてきたし、そろそろ自分でギルドを立ち上げて稼ぐなり、先に進むなりしても良いんじゃないか?」
「うーん。まだその時じゃないかな。自分はもうちょいコハダ先輩と一緒にいたいな~」
「はいはい。お前、意外と甘えん坊っすよね」
「……ほほう?」
「スズキはこれからどうするの? もう少しいる?」
「先に学園に戻って研究の続きをやるよ……しめさばもその内来るだろう?」
「うん。研究まとめないといけないからね~」
「でもでもでも僕はまだ姉さんとの結婚を認めた訳じゃないからね!!スズキさんが良い人なのは解ってるけど!!」
「結婚までは考えて無かったわ」
「……」
「他の男と付き合うとかじゃ無ければ何でも良いよ。沢山、気が済むまで冒険と研究をしなさい」
「姉さん、こんな良い人、他に絶対いないからね。絶対スズキさん、雑に扱っちゃだめだからね」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「僕たちを急に呼びだしてどうしたの?」
「三人旅をするにはまだ早いんじゃない??」
「以前の筋肉モリモリマッチョマンの変態戦を経て、俺はある確信を抱いた。今回は二人に付き合ってもらうぜ……」
「雷竜リベンジマッチになああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「言ってたね、雷竜にフォースを使って勝ったことが心残りだって」
「条件ドロップの時フォースの力を解放しまくってたから今更感もあるけど!!でもやっぱフォース無しで勝ちたいじゃん?」
「雷竜相手に、勝率の高い戦法が取れていたかと言われれば、そうじゃなかったもんね。……やってみようか!!」
「目線みたいになって笑えるな」
「ところで僕たち三人、チーム名どうする?」
「ソレイユかルミナスで悩んでる」
「アイカツじゃねぇか」
「なんで終盤も終盤でしまあじにアイカツおじさん設定付いたの?」
「そんなのアイカツが最高だからだよ」
「何がともあれ、名前が決まるといいね。そうじゃないとカルマル同盟が正式採用されるから」
「カルマル同盟だったらどの国になりたい? 僕スウェーデン!!」
「俺もスウェーデン!!」
「僕もスウェーデンかな。一番出世するし」
「……ってこれカルマル同盟っつーかバルト海帝国じゃん!!」
「ギルド名はデンマークなのになぁ」
「これを読んでいるそこの君、君は今どんな表情をしているんだい?バルト海帝国で大爆笑できるように今後も精進してね」
「そんなことはさておき、作戦はずばりトラッピングです」
「僕は1ターン目だけショックガードで、それ以外はフロントガードだっけ。他のターンにブレスが飛んで来たらどうするの?」
「潔く死にましょう」
「今回は3人PTだから、補助もフルでかけられるね。攻撃力UP、防御力UP、それから耐邪。終わったらアイテムでサポートするね」
「一列しかないから、トラッピングもバンバン決まるな!!トラッピング最高!!」
「対策を重ねてもまあ駄目なときは駄目なもんで、さっきまで楽しそうにしていたしまあじがテラー状態になりました」
「うわあああ!!やめてくれえええ!!トラッピングを弱体化しないでくれえええええ!!!」
「恐怖=トラッピング弱体化って……。憑りつかれ過ぎでしょ」
「しかもテリアカβ忘れたわ」
「ちょっと」
「出直すか」
「と言ってたら倒せました」
「……」
「……」
「あんなに苦戦した敵がこう簡単に吹っ飛ぶのが一番のテラーかもしれん」
「嬉しい筈なのに複雑だ……」
「雷竜からのドロップでもう一つ真竜の剣が店に並んだ!!欲しいけど流石に高いなあ!!」
「そうなると思ったあ!!!」
「な……所持金が!!」
「ふっふっふ……各階層のボスのレアドロップを集めてきましたぜ、奥さん!!(あたしだけじゃ条件満たせないからみんなに協力してもらったんだけどね)」
「……良いのか?」
「勿論!!しまあじは今回の冒険全部で一杯頑張ったからね。これは皆からの贈り物だよ!!」
「うっうっ……有難う……実はずっと欲しかったんだ、この剣……」
「しまあじにとってあたしは先人かもしれないけど、あたしの中でしまあじは既に背中を預けられる大事な仲間だからね。これからもよろしく!!」
「僕の次にね」
「𝓢𝓱𝓲𝓷𝓲𝓷𝓰 𝓛𝓲𝓷𝓮……」
「『𝓢𝓱𝓲𝓷𝓲𝓷𝓰 𝓛𝓲𝓷𝓮……』が鳴き声みたいになってんだよな、最近のしまあじ」
「よくわかんないけど、それも多分アイカツネタだよね」
「そうそう。それよりしめさばさんが大量の爆薬をもってこっちに向かってきてるからそろそろ切り上げようか」
「う、うん……本当にどうして姉さんは、爆発オチに憑りつかれ始めたんだ……?」
おわり🎵