「ようこそお客様!!貴方が初めての来場者です!!」
「……」
「?????」
「ご、ご乱心……?」
「責任者をだせぇ!!!!!!!」
「……深王さま、やっぱりこれ変ですって……」
「よく来てくれたな。裏ボスは卿らが倒してくれるということで、それ以外のことを考えなくてはいけなくなってな」
「考えないといけないこと?」
「世界樹の迷宮のある街に必ず降りかかる課題、『迷宮突破されたらどうしよう』問題だ」
「……ああ」
「『世界樹の迷宮』は地域を活性化させ、経済効果も十分。しかし迷宮が突破されれば、冒険者の数もごそっと減り、経済が再び低迷する……大冒険者時代の今、社会問題になってるアレだな」
「エトリアはそれでごっそり経済悪化したって言うしな~」
「でも旧文明の遺産がめっちゃ面白いってことで、ごく一部のマニアは通い詰めてるらしいし、執政院は今そっちのほうで何とか出来ないか考えてるっぽいね」
「ハイ・ラガードは不当に占拠された天空の城の有効活用を考えてるとか聞いたな」
「……とまあ、そんな感じで今考えているのが『深都ハワイアンズ計画』だ。幸いなことに海底火山のお陰で温泉もあるし、遺跡もあるし、王家の庭もあるしで、観光資源としては十分魅力的な訳だ。労働力にはアンドロを使うことになっている」
「反乱サレテシマエ」
(日暮里……気持ちはわかる……私もこの計画変だと思う……でも深王様が100年ぶりくらいにウキウキしてるから、言い出せない……)
「という訳で、デンドラムにもリゾート計画を手伝って貰いたいと思っている」
「なんでやねん」
「ど、どうして~~~???」
「質問は受け付けない。まず頼みたいのは『断罪の間』のことだ」
「あそこをどうするの?」
「あそこは高級サウナになる予定だ」
「なんで????」
「火山地帯の真ん中でサウナ……?水風呂は何処?」
「転移装置とか使って……ってそれはさておき、現在そこにフカビトが立てこもっていてな。そこと交渉して貰いたい」
「世界樹の迷宮って何だっけ」
「後日談をこんなに改造する必要、ある?」
「むにゃ……無理があるのだわ」
「ところで、なんで真祖さんはまだ断罪の間にいるの?」
「奴の最近の趣味はサウナだ。だからここでデトックスをしてるらしい」
「……ツッコミたいところは山々あるけど、今は何で揉めてるの?」
「それは……」
「……ここに100年もいたら、簡単に立ち退く気分にもなれなくてね」
「ア、真祖!!久シブリ~元気ダッタ~~~???」
「元気そうで何よりだ。お前はよくオランピアから鍵を盗んでよく遊びに来てくれたね」
「おい知らない間になんてことしている」
「抜け出さなかったんだから許してやれ。……それよりアレをやるぞ」
「アレって……」
「初見殺しで有名なあれだよ」
「あれやんの~~!!!やだ~~~!!!!」
「とか言いつつバチバチに戦闘用メンバーで来てる」
「全く、オリジナルストーリーと本編を同時に進行させるのは骨が折れるよ」
「オリジナルストーリーを展開しなければ良い話では??」
「マアマア。ピアネキ、私ノ成長見テテネ!!」
「むにゃ……」
「うわようじょつよい」
「まあ!!私はこう見えても16歳だから、幼女では無いわよ!!ティーンエイジャーと言うべきなのかしら?いえいえ違うわね、もう私は一人前の立派なレディ!!どうぞマドモアゼルなんて言わずにマダムと呼んで頂戴!!」
「あんたが一番幼女だよ」
「ところであたし達今回の目標は第六層の制圧なんだけど、そちらさん的にはやっちゃって良いの?仮にも上司なんでしょ?」
「別に良いよ。なんか全部怖いくらいにうまくいったお陰で僕たちフカビトと神の接続も消えてしまった。……その事実を受け入れることができたのは、お前達……人とフカビトが友となるのを証明させられてしまったから、なのだろうな」
「新大久保とも?」
「あいつは駄目だ」
「未だにフカビトのことご飯だと思ってるからね、あの人」
「やっぱ苦手だ」
「しょうがないよ、あの人二足歩行で人語を話す種族以外全員食べれると思ってるから」
「あの悪食ファランクスはさておき……。自分の使命を果たせず、かと言って現実を受け入れてしまった現状から、今後どうやって生きて行けば良いのだろうか」
「深王様は、そんなセカンドライフの為にも、深都をスパリゾートにしようと考えておられるのだ。だからこそ、かつて敵だった貴方にも協力を頼みたいと思っている」
「……まあ、考えておくよ」
「「「いや、なんでスパリゾートなんだよ」」」
「それは私が一番知りたい……やはりチボリ公園で全身バラバラになった時に頭のネジでも外れたのだろうか、深王様……」
「むにゃ……深王の気持ち……きっとデンマーク戦争でシュレスヴィとホルシュタインを失った後のデンマークから発想を得たのね……知らないけど……むにゃ……」
続くボンバー