七七日横丁

この世とあの世とその世

第二次第三次大戦:逆襲の恵比寿編

「んぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎぎ」

「本当に悪いと思っているんだ。だが、これも世界樹の迷宮3なんだ……許してくれ……」

「はーーーーーやっぱり変な前髪してていつも皮肉そうな笑みを浮かべてる奴は駄目だわ」

オランピアさん、なんで貴方がここにいるんですか」

「……そういえば、お前とはまだきちんと決着を付けていなかったな」

「ではここで一戦交えましょうか」

「二人とも止めるんじゃ!!殺し合う男女はプレイヤーの性癖じゃ!!」

「「っぶねぇぇぇぇ!!!危うく媚びるところだったわ!!!」」

「でも4層のボス戦でお互い殺し合うじゃ無いですか」

「何をいまさら気にしているの??」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「平和だね」

「平和過ぎてコマンドー10回見ちゃった」

「流石に飽きたわ……」

「え、コマンドーに飽きることってある?」

「そりゃ10回も観りゃあねぇ……」

「まじかー。俺全然飽きないわ」

「むしろ凄いな」

「……暇しているなら、ちょっと手伝ってくれないか?」

「手伝う……何ですか?」

「殿下に頼みごとをするというのも、おこがましいのですが……。恵比寿たちが先に進んでいる間に酒場に出ている依頼をこなしていただけると、助かります」

「確かにそうですね。やりましょう」

「……うちのギルドって巣鴨がギルドリーダーじゃなかった?」

「目黒さん、運営とかうまいから……情けない限りだけど」

巣鴨様には巣鴨様の良さがあります。貴方のような慈悲深い方がいなければうちのギルドは崩壊してたでしょうし、その点は気にしないでください。私はあくまでも巣鴨様がきちんとギルドリーダーとしての責務を全うできるように努めているだけです」

「目黒さん……」

「そこまで謙虚になれるなら、なんで昔権力掌握の為に巣鴨さんに引っ付きまわってたの?」

「……」

「人は成長するんだよ!!お前以外はな!!」

(この二人の恋は本当に今後発展するんだろうか……)

「えっと……とにかく、どのクエスト受けてくれば良いか、教えて貰って良いっすか?」

 

☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

 

「雑用係を押し付けられる王子、ちょっと面白過ぎるな」

「あ、いやこういう作業好きなので……」

「王子の威厳!!」

巣鴨らしいっちゃ巣鴨らしいけど……本当にそれでよいのか?」

「人類平等で良いことじゃないですか。権力者に逆らったら不自然な死を遂げる国だってあるんですからね」

「は、はい……」

(このパーティー巣鴨渋谷田町は同い年だし、新大久保もまだ20だし、俺だけ年齢離れてんだよな……保護者枠か。グラフィックはショタなのに)

「ギー」

「深都に再訪出来るようになったし、サブクラス付けていくか?」

バリスタにしないんだ。正射必中は取得しないで良いの?」

「今回は巣鴨に照明弾を打ってもらうことにするぜ!!」

「人のサブクラス勝手に決めないでよ!!」

「サブクラスショーグン……。ただの一兵卒が偉くなったもんだよ」

「悪役の台詞か?でもお前がショーグン取得したらめぐちゃん喜ぶだろうな~」

「まだまだっすけどね~。あの人、本当に凄い人なんっすよ」

「受ける依頼はかみつき魚の駆除か」

「ま、まさかこれは……!!」

「第三次大戦だ」

「ただの魚狩りだよ」

「現実時間で言うと○○年前にやった感じだし、どんなんだったか忘れてるわ」

「3は何度も積んでるから、時系列が色々わからなくなるんだよな」

「狙うは一等賞!!敬愛するメイトリックス大佐の為にも頑張るぜ!!」

「こいつ、ちょっと本当にヤバいんじゃないの?」

「さっきのやり取りは新大久保さんから振ってましたけどね」

「ちなみに、これを読んでる人ってみんなコマンドー知ってるの?」

「……知らないだろ」

「そうかそうか。じゃあ予告編を貼るんだぜ!!」

www.youtube.com

「オタク君さぁ……本当に油断も隙も無いな」

「すっげぇメタ発言になるけど、なんで田町のキャラはこうなったんだ?」

Googleで『デェェェェン』を調べて貰えばわかると思うんだぜ!!」

「え、『デェェェェン』って国歌じゃないの!?」

「お前は黙ってろ!!」

「ちなみに女インペリアルも『デェェェェン』ですね」

「誰ですか貴女は」

「イビルフィッシュは連携技のために噛みつき魚を呼びだすから、呼びだしては倒す……の某カエル道場戦法で行くぞ」

「ハイ・ラガードだと死んでましたね……(ラフレシアその他諸々)」

「お、ハイラガ知ってるマウントか~?」

「そういう訳じゃないです!!」

「うわぁ……魚狩るたびに目が血走ってる」

「うわぁ……ってなんだよ!アリアス邸に行ったメイトリックス大佐もこんな感じだっただろ!!」

「またそっちに話広げる!!みんな付いてこれないよ!!」

「メイトリックス血染習得してたんか」

「あの人なら、絶対習得してるぜ!!」

「……んだちゃん、話世界樹に戻して」

「俺に振るのかよ……。『血染めの朱槍』って敵を倒す度に自身の攻撃力が上がる技だよな。……めぐちゃんが介錯やりたくない派で良かった」

「ところで、かみつき魚って美味しいんですか?」

「あんま食用とかは聞かないけどなあ。食ってみる?」

「まじかよ。……あんま美味しくないね」

「ブエエェェェ」

「新大久保の料理みたいだな」

「確かに」

「君達???」

「余裕だったな」

「二層冒頭で発生するクエストだからね」

「53匹なんてやるじゃない!!」

「う、うわ~!!パブリックドメインのロイヤルガーズだぁ~~!!」

「いい加減になれてくれよ、巣鴨の旦那……」

「Guten Abend」

(ドイツ語のボキャブラリーが乏しいから、相変わらずアルバート氏が挨拶しか出来て無い)

「しっかしあの二種は最近妙に増えてるねぇ。冒険者や人間に危害が及ぶどころか、生態系にも影響を及ぼしかねないぞ」

「そうよね。地球温暖化かしら?」

地球温暖化、ここでも起きてんのかよ」

「ギリギリ産業革命前だと思ってたんだけどな。ま、錬金術の発達が凄いし、一つの尺度で物を図れるわけもあるまい」

「ま~た社会派ギルドになってらぁ」

「一応補足しておきますが、世界樹の迷宮に温暖化描写は一切ありません。……なんで、この注意書きが必要なんだよ」

「ともかく、これで依頼は完了したし、早速次のクエスト受けに行こうぜ」

「そうだな。……ん? あれ、ちょっと待て」

「どうしたんですか、五反田さん」

「いや、今攻略wikiを確認してみたんだが……」

 

周回の際にクエスト・イベントクリア状況がリセットされるようになった。(『リマスター版の変更点』より)

「仕様、変わってますね。つまり今クエストをクリアしても……」

「三周目に同じクエストをクリアする必要がある……」

「「……」」

「……それじゃあ、解散ということで」

 

続く