「ボルシチおいしい～～！！」
「と、隣のお二方、マッチングアプリで会っている人たちか……。妙に落ち着かないなあ……」
「Suicaのペンギンって、最初からJRの為にデザインされたんじゃなくて、元々絵本のキャラだったんだって」
「かわいいよね～」
「……大丈夫？」
「……正直緊張してる。君のお姉さんが僕を家族として受け入れてくれるって言ってくれたのは嬉しい。でも……まだ怖いんだ」
「キッカ……」
「何度も言うけど、お姉ちゃんちょっと変わり者だからあんまり気にしなくていいよ。それに私もキッカもタルシスの樹海を踏破したでしょ？お姉ちゃん、『世界樹の迷宮』が大好きだから多分今も会いたくて、ずっとうずうずしてると思うんだ」
「……だといいんだけど」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ただいまー。お姉ちゃんいるー？」
「……」
「どうしたの？」
「ああ、いや……その……大したことじゃないんだけど……」
「君のお姉さん、何でモルカーに突き刺さってるの？」
「お姉ちゃぁぁぁぁあああああああんんんん！！！！！」
「ｱｱ……ﾒｲｷｭｳ……ﾀﾗﾇﾀﾗﾇﾊﾒｲｷｭｳｶﾞﾀﾗﾇ……」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ハヤテさんが来てくれてよかった～」
「実はびんちょうの元気がないの」
「……キッカの前でいきなりポテト（モルカー）に突き刺さってるのは、本当にやめて欲しかった……恥ずかしいじゃん」
「ごめんね、ハヤテにキッカさん……あ、ハヤテの彼氏さん！？タルシスでダンサーやってワルツとタンゴとサンバを同時に踊ったという！？うわーー！！色々話聞きたいんですよーー！！」
「そ、そのキッカで合ってますけど……君のお姉さん、想像以上だね」
「悪い人じゃないの！！信じて！！で、どうしたの、また世界樹の迷宮に行きたいの！？」
「うん、しばらく迷宮に行ってなかったから迷宮不足でさ。体の節々から鈍い痛みがするんだ」
「迷宮ってそんな大事な栄養源だっけ？」
「ただなあ……スクショを使う都合でここでは極力リマスター樹海に行きたいんだ……」
「だけど2と3はコンプまで行ったし、1は発売直前にDS版でコンプしちゃったんだよね～アトラス聞いてる～？？」
「成程。……じゃあエトリアがどんな風にリマスターされているのか、まだわからないんだ」
「……それだ」
「「天才か？？」」
「帰ろう、エトリアに！！今すぐ温泉旅行中のしまあじ達に連絡を！！」
「「いやっふぅぅぅぅ！！」」
「……僕、絶対余計なこと言ったよね」
「いや、気にしなくてよいよ。どの道こうなってたと思うから」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「早速エトリアに帰ってきたわけですが……」
「にしんがいないねぇ」
「直前まで一緒にいたのはかんぱちだろう？彼女はどうしたんだい？」
「そのことなのですが……にしんちゃんは……留置所に入れられました……」
「ああ……」
「遂ににしんもブタ箱デビューか……」
「驚きより先に納得が来るの、本当に信用が無いんだなって思ったよ」
「ちなみに罪状は何？」
「勝手にかんぱちのpixivアカウントを使いおさげカスメのR-18絵を大量に閲覧した罪らしい」
「なんで自分と同グラのエロ絵漁ってるんだよ」
「子供のエロへの執着、何でこうなりふり構わないんだろうね」
「大人も同じだと思うよ」
「にしんちゃんは4層突入辺りで出所する予定ですわ。わたくしも彼女をちょくちょく見に行こうと思うので、最初は探索には参加せず3層突入辺りで合流しようと思っています」
「ちょうどブシドーとカースメーカーの加入時期だな！！よろしく頼むぜ！！」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「久々の翠緑ノ樹海！！懐かしいな～。あたし達の冒険も、世界樹の迷宮シリーズも、すべてはここから始まった！！」
「ああ、もうゼウス涙止まらんわ……」；；；；
「ゼウスの泣き所、ゼウ泣き」；；；；
ﾋｿﾋｿ（ハヤテ、ゼウスって何？）
ﾋｿﾋｿ（既プレイヤーってことらしいよ。……ってなんで今私たちお姉ちゃんたちの様子見えてんの……？）
「今流行りのドローンで中継しているからな」
「ふ、ふーん……いや何で！？ってか急にオーバーテクノロジー出さないでくださいよ！！」
「ま、その内わかるよ（貴女みたいな人いないと収拾つかないのよ）」
「懐かしいね～最初のミッション！！」
「ゼウスだから1階の地図全部頭に入ってるんだけどね」
「まあ、人間がプレイすることをあちらさんもしてるんだし、私たちもそれに合わせて人間しぐさ？で行こっかｗ」
「単芝生やすな」
「あ、森ネズミさん、こんちゃっす！！」
「ゼウス感激～ファンです～～」
「本当は知ってるんだけどね～だってDS版で王冠手に入れたも～ん」
「図鑑がゼロからってことは、また図鑑が埋まるまで冒険を続けられるってことか～！嬉しい！！」
「そういえばこの間かんぱちと行った酒の店で岩清水っていう日本酒見つけたんだよね」
「お、いいな。街に戻ったらそれで一杯やろうや」
「いや、あるな～って思っただけで買ってない」
「馬鹿野郎」
「酒飲み文字真っ赤で草」
「あ！！ゼウスなのでこれ知ってます！！罠です！！」
「あ～ゼウスだからね～～みんな知ってる？知ってるここねぇ～～調べると毒吹きアゲハっていう2階のモンスターが出てくるんだよ～～～知ってた～～？？」
「ま、我々見え透いた罠には引っかからない安心安全ギルドなのでね」
「なんて言うとでも思ったかああああ！！エトリアは俺たちの庭！！多少全滅しようが四肢がぶっ飛ぼうが面白い方を選ぶぜ！！！」
「本当に何なんですか貴方達！！？？」
「ねえ、ここで死んだ人が夕食の時、生き残ってた人にデザート奢るっていうのは？」
「「さんせ～い」」
「大分危ない遊びしますね……」
「と言う訳で、生き残ったのは僕と姉さんでした」
「やったわねはまち！！これで食後のスウィーツは私たちのもんだ！！」
「ハマ～（ウキウキマンボー！！）」
「ミッション報告！！同じ樹海、同じミッションでも、昔と今で全然感じ方も雰囲気も変わったね」
「既に知ってるマップで楽しめるもんかと思ってたけど、味わい全然違ってよかったな」
「こういうのもたまには良いかもね。それじゃあ、夕食でも食べに行こうか」
「「HA！！YA！！KU！！GO！！HA！！N！！O！！YA！！TSU！！」
「……調子に乗っているなあ」
「ゼウス……既プレイとは言え、こんなに調子に乗って樹海に挑んでも良いものだろうか」
「お姉ちゃんたちの考えてることはさっぱりだからなあ……」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
一方そのころ
「帰ったか……寿司が」
「地図描きミッション見てたけど、ちょっと調子に乗りすぎ」
「これは我々で少しお灸を据えてやらないとな……」
続く
